輸入品の激安店は本当に庶民の味方なのか?

消費者の立場に立てば、商品を1円でも安い価格で販売する店は、「正義の味方」だと感じます。
しかし、輸入品の激安店に関していえば、単純に正義の味方とは言えません。極論をいえば、国内産業を疲弊させて、失業者を増加させて、あなたの生活を苦しくするかもしれないのです。
なぜなのでしょうか。

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円高になれば、海外の安価な製品で国内の企業が倒産

わかりやすいように、少し大げさな例を考えてみます。

さて、2台のパソコンがあったとします。
1台は定価10万円のパソコン(国内品)、もう1台は同じく定価10万円のパソコン(輸入品)です。
※)両方とも、性能などは全く同じです。

性能なども、価格も同じなので、両方とも、同じように売れますよね。



しかし、円高が進み、1ドル100円になったとしましょう。
すると、(単純に考えて)輸入品の価格が半額になります。
※)計算がわからない場合は、外貨為替のページを読んでください。



消費者の目には、輸入品が魅力的にうつり、輸入品が売れることでしょう。
すると、どうなると思いますか。
輸入品を扱う企業は大もうけしますが、国内品を扱う企業は倒産してしまいます。



「だから何?」と思うかもしれませんが、実は、これが、あなたの生活を脅かす事態になる可能性があります。
どういうことでしょうか。

輸入品を買うと海外が潤うだけ!

先ほどは、大雑把に考えたので、もう少し細かく考えてみましょう。
というわけで、まずは、国内品を販売している企業で、何が起きるのか考えてみます。

この企業では、国内の労働者たちが、パソコンを製造しています。
しかし、安価な輸入品の登場で、企業は倒産してしまいます。
すると、当然、国内に失業者が出ることになります。
もっというなら、パソコン産業の企業の倒産が相次ぎ、国内のパソコン産業自体が衰退していくことでしょう。



一方、輸入品を取り扱う企業を、もっと詳細に見てみましょう。
輸入品は、海外の労働者が作っています。
輸入品が売れるということは、海外労働者の生活が豊かになるということです(必ずしもそうではありませんが)。
また、海外のパソコン産業が活性化することになります。




というわけで、安価だという理由で、輸入品を買っていると、海外の人々の生活が良くなり、海外の産業が活性化する一方、国内の労働者は失業して、国内産業が衰退していきます。
もっというなら、国内で失業者が増加するということは、国内の景気が悪くなることにもつながります。
国内の景気が悪くなれば、あなたの生活も悪影響が及ぶということです。

というわけで、国内産業を守って、あなたの生活を守るためにも、多少は高くても、国内品を買うのがいいというわけです。

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